2024/12/18
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頚椎症について~首の痛み~ |
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頸椎とは? 首の痛みや首から腕への痛みで悩まされている人は多いと思いますが、その中でも比較的患者さんに多い「頸椎症(けいついしょう)」のお話をしたいと思います。 皆さんは「頸椎症」という病気を御存知でしょうか? まず、頸椎にどのような働きがあるかを説明したいと思います。 頸椎は大きく分けると次の3つの働きを担っています。 ①頭を支える。 ②脳と四肢(腕・足)に分布する神経の連絡路である脊髄を保護する。 ③頭を動かす働き。 この頸椎の中にある脊髄や神経根が、加齢などの変化により圧迫されることで首や腕の痛み、しびれ、麻痺をきたす病気を「頸椎症」といいます。 このうち脊髄を圧迫するものを「頸椎症性脊髄症」、神経根が圧迫されるものを「頸椎症性神経根症」といいます。 こんな症状はありませんか? ①手がしびれる、力が入りにくい ②小さいボタンがかけにくい ③箸が持ちにくい ④字が書きにくい ⑤歩くときに引っかかる感じがする ⑥腕に放散する痛みがある ⑦小便が出にくい ⑧立てない、歩けない 上記のような症状があると前述の病気を疑います。 通常、症状の進行は緩徐ですが、転んだり、運転中に追突されたりすることで急激に脊髄の狭窄部分に外力が加わり、四肢麻痺(頚髄損傷)をきたすことがあります。 診断は通常、①レントゲン、②MRI、③脊髄造影、④脊髄造影後CTの順で行います。外来では①②の検査が可能で、MRIでは脊髄の神経の圧迫がはっきりと分かります。 また、手術目的で入院する際に③④の検査を行います。 治療について 治療には「保存療法」と「手術療法」があります。 「保存療法」はしびれの訴えのみで、症状が軽度の場合は内服、リハビリなどの保存的療法を行います。 「手術療法」は、「こんな症状がありませんか?」の①~⑧に該当する場合、手術が必要となるケースがあります。当院では手術の場合、次の様な治療法を選択しています。 1.前方固定術 首の前の方からアプローチする方法。狭い範囲の圧迫が原因であれば前方固定術で行います。 2.椎弓形成術 首の後ろの方からアプローチする方法。広い範囲に圧迫がある場合には「椎弓形成術」を行います。 当院ではいずれの方法でも翌日には歩けます。「前方固定術」の方が「椎弓形成術」に比べると入院期間が少し長くなります。 前述の症状が見られたら、脊椎専門のドクターがいる病院の受診をおすすめします。 うちのう整形外科 院長 内納 正一 日本脊椎脊髄病学会脊椎外科指導医 日本整形外科学会専門医 日本整形外科学会脊椎脊髄専門医
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